コンタミチェックの結果は消耗度１。
金属摩耗はほとんど確認できず、内部摩耗は極めて少ない状態でした。

【解説】
①　新生製作所様の調査報告にもありますが、ギヤ、ベアリング、バルブボディ、ミッションケースシャフト接触面等に、ガタ摩耗、破損は無く良好な状態です。クラッチディスクについても一番使用頻度が高い４速に焼け・摩耗が有りますが滑り等は発生していません。ディスク表面の剥離等もありません。ディスクの剥離や摩耗が進行すると、滑りが発生し発進不良やエンジン回転数だけ上がり加速できないなどのトラブルになります。

②　AT内の油圧を保持する為にゴム製のＯリングが装着されていますが、通常であればオイルの劣化に伴いゴムが硬化しひび割れ等がみられます。しかし、今回の調査では「ＳＯＤ－１」の膨潤作用により、ゴムの硬化を抑制し柔軟性を維持できていることが確認できました。Ｏリングが劣化することで正常な圧力が維持できなくなるとクラッチ摩耗が起きます。さらにクラッチの摩耗粉が油路を詰まらせると、油圧異常による作動不良が起き、クラッチ摩耗や部品の損傷といった悪循環が起きます。最終的にはＡＴ不具合に繋がります。Ｏリング自体は安価なものですが、交換となると分解作業が必要でコストも時間もかかります。今回の分解調査では、SOD-1を添加しておくだけで、Ｏリングの硬化を予防できたことが十分に確認出来ました。