変速ショック・滑りの原因としては、Oリング等からのオイルリーク、クラッチ・各機構の摩耗、スラッジ(酸化物質) 等のさまざまな原因が考えられます。ATFが劣化した状態で何とかAT機構の動きを保っていた場合、ATFを 新油に変えるだけでトラブルが現れる事があります。それは「ATFが備えている摩擦特性とAT内部のクラッチディ スク等の摩擦係数の密接な関係」が影響しています。イメージグラフのように、ATFとクラッチ摩擦材の摩擦係数は劣化と共に反比例していきます。ATFは新油から 劣化が進むにつれて摩擦力が高くなり、さらにAT内部の消耗を伴っているとコンタミが混ざることでより摩擦力は 高まります。 逆にクラッチディスクは、劣化・消耗が進むにつれ摩擦力が低下していきます。 このことから、ある程度劣化・消耗の進んだクラッチディスクでも、ATFの摩擦力上昇により正常な走行が可能 になりますが、その消耗に気づかずにATF交換を実施するとATF・クラッチディスクの摩擦力のバランスが悪く なり、滑り等が表面化してしまうことが考えられます。 D1ケミカルでは、ATF交換の前に色やにおいだけでなくコンタミチェッカーでATFに混在するコンタミを確認する ことで、AT本体内部の消耗を推測し、より的確なATF交換判断をしています。