導入事例

【路線バス:三菱エアロスター(アリソン)】フルード交換+SOD-1Plusで変速ショック改善!

2025.08.26 | 動力伝達系
【路線バス:三菱エアロスター(アリソン)】フルード交換+SOD-1Plusで変速ショック改善!

導入事例データ

【車両情報】
車種:三菱エアロスター
ミッション型式:アリソン(T310)
走行距離:218,105km

【作業メニュー】
・ATF全量交換
・フルードフィルター交換

【使用オイル】
・カストロール トランシンド668
・万能オイル添加剤 SOD-1Plus

お客様の声

施工後は、詰まりが解消されたことで油圧が安定し、1速→2速の変速ショックは明らかに軽減。
発進時のギクシャク感もなくなり、スムーズな加速に回復しました。

その後の試運転・実走行でも症状の再発は確認されておらず、快適に運行できる状態へと改善されています。

■事例概要
複数の路線バスを運行されている事業者様より、
一部車両で 発進時や信号待ち後の再加速時に大きな変速ショックが発生する とのご相談をいただきました。

特に1速から2速への変速時に症状が強く、乗客の方々の快適性への影響も考慮して、
サービス品質の向上を目的とした改善のご依頼をいただきました。

■診断結果
運行中にATモニターへスパナマークが点灯。
診断機にて確認したところ、以下のエラーコードが検出されました。

P088A:トランスミッションフルードフィルター劣化(警告)

P088B:トランスミッションフルードフィルター劣化(重大)

これらは フルードフィルターやオイルラインの目詰まりによる油圧低下 を示すもので、
アリソンT310のような電子制御ATでは、油圧の乱れが クラッチ制御不良 → 変速ショック に直結します。

なお、電気系統には異常は認められませんでした。
モニターにスパナマークが点灯しております。
診断機にてエラーコードの内容を確認いたします。
P088A、P088Bのエラーコードが検出されています。
いずれのコードも、ミッションフルードフィルターの劣化が原因で発生するものです。
診断の結果、電気系統に問題はなかったため、フルード交換とSOD-1Plus添加を実施することになりました。
合わせて、内部摩耗度を確認するためコンタミチェックも行いました。
■内部摩耗診断(コンタミチェック)
コンタミチェックとはATF(オートマチックトランスミッションフルード)内部の小さな異物(摩耗粉)をチェックするものです。異物が多いと交換後トラブルの原因になります。
この異物が多く検出された場合、ミッション内部で摩耗が進行している可能性があり、フルード交換後のトラブルにつながるリスクが高くなります。

今回実施したコンタミチェックの結果、摩耗度レベルは「1.5」と判定され、異常な摩耗は見られませんでした。
ミッションの状態は良好であり、微細な摩耗粉についてはフィルター内で適切に吸着されていると推測されます。
ATF交換を実施し、内部に蓄積した鉄粉やスラッジをしっかりと除去しました。
原因の一つとして考えられるフルードフィルターを交換しました。
■ 万能オイル添加剤「SOD-1Plus」添加
SOD-1Plusの添加は、D1式フルード交換における最大のポイントです。
通常のフルード交換では除去しきれないパーツ内部のスラッジを洗浄し、さらにゴムシール類を保護して柔軟性を回復させることで、油圧低下による不具合の再発を防ぎます。
加えて、金属摩耗の抑制や油膜保持効果により、長期的にミッションを健全な状態で守り続けることが可能になります。
■ATF注入
ATFを注入し、レベルゲージで量を確認して作業完了です。

まとめ

今回の変速ショックは、フルードフィルターやオイルラインの目詰まりによる油圧不良が直接の原因でした。
フィルター交換で一時的に改善しても、ミッション内部に堆積したスラッジや鉄粉が再循環すれば、再びフィルターを詰まらせ、同様の不具合を引き起こすリスクが残ります。

このため、単なる部品交換は応急処置に過ぎないと言えます。
再発防止には 予防整備 が不可欠です。

D1式フルード交換における SOD-1Plus添加 は、
①油路・バルブボディ内部のスラッジや鉄粉を洗浄 → 再詰まりを防止
②ゴムシール類の柔軟性回復・保持 → 油圧安定化
③高温下でも油膜を維持 → クラッチ摩耗抑制・長期耐久性の確保

といった効果を発揮し、根本的な再発防止策として機能します。

バス運行では「安全・快適・安定稼働」が最優先。

ATトラブルを放置すれば、高額修理・長期運休・収益損失 といったリスクに直結します。
早めの対応こそが、安心運行とコスト削減につながります。

ぜひD1ケミカルへご相談ください。
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