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2013年7月22日 日刊自動車新聞掲載 「韓国のアフター市場開拓へ」

2013.07.22
2013年7月22日 日刊自動車新聞掲載 「韓国のアフター市場開拓へ」
ソウルオートサロンに初出展
経済成長に伴い自動車の保有台数が拡大している韓国。昨年の新車販売は前年比2.3%減の約153万4千台と前年割れとなったものの、アフター市場は年々拡大傾向だ。アフター市場の活性化を狙い、11~14日にソウル市江南地区のCOEXで韓国最大級のチューニング・ドレスアップカーイベント「ソウルオートサロン」が開催された。オイル添加剤「SOD-1)を製造するD1ケミカル(福岡市博多区、園田智之社長)は初出展し、成長が続く韓国のアフター市場の開拓に本腰を入れ始めた。(九州支社 宮本 雅也)

オートサロン会場となったCOEXがある江南筑はソウル中心を流れる河川を挟んで南側に位置し、韓国の高度成長とともに発展した。ソウル観光などでは、韓国の歴史や文化、経済発展を同時に体感できるソウル北部の江北の人気が強く、日本人からすると江南は比較的馴染みが薄い地域だ。ただ江南は江北と比べ後発で開発が進んだこともあり、高層マンションや大型商業施設が集積しており、新興富裕層の多くが済、商法施設などは韓国全土からの集客で賑わいをみせる。

代理店を通じて販売
今回で11回目を迎えるソウルオートサロンは、今年も10万人を超える来場者の熱気で包まれた。展示会には200社を超える出展者がパーツや周辺機器、チューニング・ドレスアップカー160台を展示。日本の自動車メーカーも韓国トヨタが「86」や「カムリ」などを出展した。
 初出展したD1ケミカルは3年前から韓国の総販売代理店「セゾングローバル」(リチャードI・H・チェン代表)を通して、SOD-1の販売を開始した。日本では九州・沖縄地区の自動車整備振興会などから推奨指定を受け、整備工場などでユーザーに提案されているもので、エンジン内部の洗浄による燃費改善のほか、CVTジャダーの改善効果などが評価されている。
「見えないところの整備」
をうたうSOD-1を韓国で販売するにあたり、セゾングローバルでは日本と同様に韓国の整備工場でユーザーに提案してもらおうと、取扱整備工場を開拓した。ただ、商品力を武器に販売を伸ばす工場がある一方で、販売が伸び悩む工場も出てくる。SOD-1のような提案型商品の場合、日本の整備工場でもよくある話だが、ユーザーへの説明やPRが上手く出来ない工場が多かったのが原因だ。

日本との違いも
また、日本との違いとして、整備工場がユーザーから十分な信頼を獲得していないという点もあったようだ。一例として挙げると、日本では整備工場へ卸す場合、4L缶などで販売し、整備工場で必要な量を量ってつかわれている。ただ韓国のユーザーからすると「必要な量を入れているのか信用できない」と、量り売りが通じにくいという。
 それゆえ、セゾングローバルでは整備工場への研修の強化と合わせて、韓国では日本では取り扱っていない200ml~500mlの缶での販売に改めた。現在ではオイル交換全体の1割以上にSOD-1を入れる工場やSOD-1を集客と売上アップの切り札として、ユーザーへ全面的に打ち出す工場も出ている。
今年5月からは新たな販売ルート開拓に乗り出す。国産・輸入ブランド問わずエンジンオイル等を取り扱う韓国最大大手のオイル販売会社のオイルトップでユーザーへの直接販売を開始した。オイルトップは店頭販売に加え、オンライン販売にも力を入れており、サイトの会員数は22万人にも及ぶ。会員にはいわゆる車好きのマニアが多く、サイト内の商品ページでは購入者が詳細な商品レビューを書き込んでいる。

強い関心集める
そもそも韓国の車好きの間では、オイルを取り扱う見せでユーザーが自分でオイルを選んで購入し、身近な整備工場へ持ち込み工賃を払うというスタイルも一般的。こうした層の取り込みを図ることで、口コミでの販売拡大を狙う。
オイルトップのサイトでの商品レビューには、既にエンジン騒音の低減効果や燃費改善効果が続々と書き込まれ始めている。オンラインでの一般ユーザーへの直接販売をスタートしたのに伴い、今回、セゾングローバルではソウルオートサロンへSOD-1を初出展。車好きたちが集う会場で強い関心を集めた。販売の拡大に一層の弾みをつける。
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