ATFを交換するとトラブルが起きるのはなぜ??

整備業界では、オートマチックミッションオイル交換(以下ATF交換)を推奨しているものの、約8万km以上無交換車両については、ATF交換をお断りしているのが現状です。
その理由として、ATF無交換の過走行車のATF交換を実施した場合に、変速ショック、滑りなどの不具合が発生する可能性がある為です。

〈ATFの役割〉

◎動力を伝達する働き

トルクコンバーター内部で、エンジン動力をATへ伝えます。

◎潤滑

各ギヤ類をはじめ、AT内部全般の動きをスムーズにします。

◎作動油

変速等に必要な油圧作動油として各部に油圧を送り込みます。

◎冷却

AT内部全体の冷却をします。

 

ATFはAT機構の中で上記の役割を果たす為に過酷な状況(高温・高圧・せん断等)にさらされ、次第に劣化していきます。

ATFの劣化はAT内部の劣化を促進させると考えられています。

 

 〈何故ATFを新油に交換すると変速ショック、滑り等のトラブルが発生するの?〉

ATFは摩擦特性を備えており、その摩擦係数はAT内部のクラッチディスク等の摩擦係数と密接な関係があります。

 

 ATF摩耗イメージグラフ.jpg

 

イメージグラフのように、ATFとクラッチ摩擦材の摩擦係数は劣化と共に反比例していきます。ATFは、新油から劣化が進むにつれて摩擦力が高くなり、さらにAT内部の消耗を伴っているとコンタミが混ざることでより摩擦力は高くなります。

逆にクラッチディスクは、劣化・消耗が進むにつれ摩擦力が低下していきます。

このことから、ある程度劣化・消耗の進んだクラッチディスクでも、ATFの摩擦力上昇により正常な走行が可能になりますが、その消耗に気づかずにATF交換を実施するとATF・クラッチディスクの摩擦力バランスが悪くなり、滑り等が表面化してしまうことが考えられます。

 

弊社では、ATF交換の前に色やにおいだけでなくコンタミチェッカーでATFに混在するコンタミを確認することで、AT本体内部の消耗を推測し、より的確なATF交換判断をしています。

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